掃除の万能アイテムとして広く知られている「重曹」。テレビやインターネットなどで一度はその優秀さを耳にしたことがあるのではないでしょうか。そんな重曹ですが、実は洗濯をする際にも大活躍するアイテムなんです。そこで今回は、重曹を使った洗濯方法と洗濯槽の掃除方法をご紹介します。

重曹とは

重曹とは、化学名で「炭酸水素ナトリウム」または「重炭酸ソーダ」といいます。

重曹の特徴は、以下の通りです。

  • 膨張作用や発泡性がある(酸と混ざると中和作用が起こり、二酸化炭素が気泡化するため)
  • 加熱するとアルカリ性が高まる
  • 水に溶かすと弱アルカリ性になり、酸性を中和させる働きがある
  • 粒子が丸く細かいため、研磨作用がある
  • 消臭作用・吸湿作用がある

また、重曹の種類は食用(ベーキングパウダー)・薬用(歯磨き粉)・工業用(掃除用)があり、洗濯用途で使用するのであれば、工業用(掃除用)の重曹が良いでしょう。

工業用の重曹はスーパー・ドラックストア・100円ショップでも購入でき、ほかの種類よりも大容量でありながら最も安価に手に入れることができます。

重曹を使用した洗濯の効果

油汚れを落とす

重曹は弱アルカリ性のため、衣類などに付いた”皮脂”や油分を含んだ”食べこぼし”などの油汚れを落とす効果が期待できます。

ジュースやソースなどの酸性の汚れと中和反応を起こすことで、きれいに落とすことが可能です。

重曹を洗濯に使用できる素材は、主にポリエステルやナイロンなどの化学繊維の衣類や、水洗いできる衣類になります。

消臭性

弱アルカリ性である重曹には、ニオイの性質である酸性を中和して無臭にする作用があります。また、雑菌の繁殖を抑える「静菌作用」があるのもポイント。部屋干しの嫌なニオイも抑える効果が期待できるので、部屋干しが多くなる季節は特に重曹を活用した洗濯がおすすめです。

柔軟剤としても使える

洗濯する際に重曹を活用すると、洗濯物の仕上がりがふっくらとする効果も期待できます。また、静電気を抑える効果も。柔軟剤代わりに使う際はすすぎの際に重曹を入れるのがおすすめです。

漂白剤と混ぜることで漂白力がアップ

重曹で汚れを落とす際は「塩素系漂白剤」と一緒に使うのもおすすめ。双方ともにアルカリ性で危険性もなく、同時に使うことで漂白力がアップします。

バケツに40℃〜50℃程度のお湯を入れ、重曹と塩素系漂白剤をよく混ぜて溶かし、30分ほどつけ置きをしてください。

ただし、色物や柄物などの衣類は、長時間つけ置くと色落ちする可能性があるので、まずは目立たない部分で試してみましょう。

また、おねしょの汚れや消臭には、「クエン酸」を混ぜて使う洗濯方法がおすすめです。

尿(尿石)は酸性、尿のニオイは重曹と同じくアルカリ性なので、両方を混ぜて使えば汚れや嫌なニオイも簡単に落とせます。

重曹の洗浄効果はどのくらい?

最近掃除特集などでよく知られる、重曹・セスキ炭酸ソーダ・過炭酸ナトリウムの同じアルカリ性の住宅用洗剤。

気になる洗浄効果は、重曹<セスキ炭酸ソーダ<過炭酸ナトリウムの順に洗浄効果が高くなります。

最も重曹の洗浄効果が弱く思われますが、皮脂汚れ、油汚れであれば重曹で十分に落とすことが可能です。

また、洗濯洗剤の補助として使用する場合、まずは弱い成分から試し、それでも汚れが落ちなかった場合、順を追って洗浄効果の高いものを使用することをおすすめします。

重曹は、食用としても使われる安全性の高い天然成分なので、セスキ炭酸ソーダや過炭酸ナトリウムに比べれば、敏感肌やデリケート素材にも影響は少ないです。

洗濯時に重曹を使用する際の注意点

ぬるま湯を使うようにする

重曹は水に溶けにくいので、溶けきらなかった粒が洗濯槽に残り、洗濯機が故障する原因になることがあります。そのため、重曹を使って洗濯をする際は30~40℃程度のぬるま湯を使用して溶かしてから使用するようにしましょう。

デリケートな素材には使わない

重曹は細かな粒子でできており、その粒子が繊維に入り込むため、繊細な素材を傷めてしまうことがあります。特にシルクやウールなどを洗濯する際は避けた方がよいでしょう。また、麻などの天然素材に使うと変色する可能性があるので、気をつけてください。

適量を守る

重曹を使用して洗濯する際には、パッケージに記載されている使用量を守るようにしましょう。

より高い洗浄力を得ようとして、重曹の量を増やしても洗浄力は変わりません。

むしろ重曹が水に溶けずに残留してしまい、洗濯物が乾いた時に白い粉が付着したまま残ってしまう可能性もあります。

また、入れ過ぎた重曹が洗濯槽の詰まりの原因になる可能性があるので適量を守るようにしてください。

赤ちゃんや敏感肌の人は注意が必要

重曹は、弱アルカリ性なので肌への刺激は強くありませんが、特に赤ちゃんや敏感肌の人は注意が必要です。

あまり濃い重曹水につけ置きしていると、タンパク質の分解が肌荒れの原因となる可能性があります。

したがって、重曹の使用には短時間適量を使って汚れを落とすようにしてください。

重曹の使い方

洗剤なしで使う場合

洗濯用の洗剤なしで重曹を使う場合は、重曹と過炭酸ソーダを混ぜて使います。分量の目安は重曹大さじ2に対し、過炭酸ソーダ大さじ1です。この際、柔軟剤の代わりにクエン酸(分量1)を使用すると、洗濯物の仕上がりがよくなります。

洗濯用洗剤を混ぜる場合

洗濯用の中性液体洗剤と混ぜて使います。分量の目安は半分ずつ。いつもの洗剤の量の半分を重曹にするイメージです。

注意点としては、色物や柄物、麻や綿などの天然素材、デニムなどの色落ちしやすい衣類に使用する場合は、色移りすることがあるので気をつけましょう。

目立たないところで試して様子をみてから、色落ちや色移りがないか確認して使用する方が安全です。

重曹を柔軟剤の代用として使う場合

重曹は、衣類をふんわりと仕上げる柔軟効果や、静電気を抑えてくれる効果もあります。

無臭かつ自然由来の成分のため、柔軟剤の香りや合成界面活性剤が苦手な方にもおすすめです。

重曹を入れるタイミングは、洗濯のすすぎ時になります。

重曹を部分洗いやシミ抜きとして使う場合

重曹のつけ置き洗い以外におすすめの方法は、重曹ペーストを作って直接塗る方法になります。

頑固な酸性汚れのシミ抜きとしてもおすすめの方法です。

容器に重曹を入れて、ぬるま湯を少しずつ加え、ペースト状にします。

あとは気になる汚れに塗り込み、30分ほど放置してから通常通り洗えばきれいに汚れが落ちるはずです。

過炭酸ソーダと混ぜて使う場合

重曹と過炭酸ソーダ(過炭酸ナトリウム)と混ぜて使うと、洗浄効果アップと除菌効果が期待できます。

おすすめの洗濯物は、上履きなどのシューズ類です。

ただし、洗う際には強い洗浄成分が肌荒れの原因となるので、ゴム手袋を使用して洗いましょう。

過炭酸ソーダは、ドラックストアなどで購入できるので、気になるニオイも一層したいときには試してみてください。

洗濯機も重曹で洗える!

洗濯機の洗濯槽も重曹で洗えます。重曹で洗濯槽を洗う際は、水を洗濯槽いっぱいに溜め、重曹約1カップとお酢約300mlを洗濯槽に入れ、衣類と同じように洗濯をスタート。その後1日放置し、浮いてきたホコリなどを取ればOKです。

ただし、ドラム式洗濯機や、その他使用できない洗濯機もあるので使用説明書をよく確認してから使用してください。

重曹の溶け残りが、排水ホースの詰まりの原因となり、洗濯機の水漏れを引き起こすほか、センサーの故障の原因につながる可能性もあるので注意しましょう。

除菌も消臭も一気に仕上げるならコインランドリーがおすすめ!

布団やカーペットなどの大型の洗濯物に飲み物や食べ物をこぼしてしまった場合、大型洗濯乾燥機のあるコインランドリーでの洗濯がおすすめです。

汚れは早めに対処する方が落ちやすくなるので、一刻も早く洗濯してしまいましょう。

コインランドリー総合サイトLAUNDRICH(ランドリッチ)では、洗濯物の種類や容量に合わせた設備で絞り込み検索が可能なので、近くのコインランドリーをお探しの方はぜひこの機会にお試しください。

まとめ

掃除はもちろん、洗濯をする際にも大活躍する「重曹」。油汚れを落とすのに強いところや、消臭・除菌効果も期待できるなど、さまざまなメリットがあります。また、重曹は天然由来の成分なので、環境にやさしいところも魅力。洗濯用洗剤だけに頼らずに、効果のある洗濯方法を模索している方はぜひ、重曹を使ってみてください。

Other Topics

最新記事一覧へ