日頃こまめに洗濯していても、いつの間にかワイシャツに黄ばみができてしまった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
ビジネスの場や職場で身につける服だけに、黄ばみがあると印象が悪くなるかもと心配になってしまいますよね。
この記事では、ワイシャツの黄ばみを落とす方法をご紹介します。
夏場の汗をかきやすい時期におすすめな、黄ばみ予防方法も解説しますので参考にしてください。

ワイシャツ黄ばみの3つの原因

黄ばんだワイシャツ

ワイシャツが毎日着ているうちに、だんだん黄ばんできてしまう主な原因は3つあります。

  • 皮脂汚れが蓄積される
  • 洗剤や制汗スプレーの成分が繊維に残る
  • 洗濯時のすすぎ不足

ここではそれぞれの原因について、詳しく解説します。

皮脂の汚れ

ワイシャツの黄ばみの最大の原因は、汗や皮脂といった人の体から出る物質です。
人の体から出てくる老廃物である汗や皮脂、角質カスなどにはタンパク質が含まれています。
このタンパク質が洗濯していても繊維の中に閉じ込められ残ってしまい、酸素と反応することで黄ばみの原因になっているのです。
黄ばみの部分には粘度があり、そのまま放置してしまうと、そこに埃や汚れが溜まりやすくなります。
これが黒ずみの原因となり、黒ずんでしまうとその分綺麗にするのが大変になってしまうので注意が必要です。

洗剤・制汗スプレーの使い過ぎ

ワイシャツを洗濯するときの洗剤の量にも気をつけてください。
汚れをよく落としたいからといって、洗剤を入れすぎて洗ってしまうと、洗剤の成分が繊維の中に残ってしまうことがあります。
これも汚れを付着させる原因となるため、よくありません。
また、汗をかきやすい人や夏場の外での仕事がある人は、制汗スプレーを使う方もいると思います。
制汗スプレーの成分にも、汚れを付着したり黄ばみの原因になったりする可能性がありますので、使い過ぎには気をつけましょう。

すすぎ不足

皮脂汚れや洗剤の成分をワイシャツからしっかり落とすためには、洗濯の時にすすぎを十分に行うのが大切です。
洗濯機の中には節水モードを備えていて活用している方も多いと思います。
また、ドラム式洗濯機も水道の使用量を抑える効果がある機種です。
しかし、節水機能が高い洗濯機ほど、すすぎ不足になりやすいことに気をつけなくてはいけません。
適切な量の洗剤で、十分にすすぎを行なって仕上げるのが、汚れの原因を取り除くポイントです。

ワイシャツについた黄ばみの落とし方

洗濯されているシャツ

ワイシャツに黄ばみがついてしまったら、早めに落としておくのが大切です。
ここからは、ワイシャツの黄ばみを落とす際に注意するポイントや、落とし方をご紹介します。

落とす前に確認しておくこと

ワイシャツを洗う前に、素材や洗濯表示をきちんと確認しておきましょう。
ドライクリーニングが可能な表示がある場合、黄ばみの強さによってはクリーニングに出したほうが安心です。
家庭で洗濯できない素材の場合も、黄ばみは落とせても寄れたり型崩れを起こす恐れがあります。
これもクリーニングに出すことをおすすめします。

また、漂白剤を使用したい場合は、お手持ちの漂白剤が使用可能かも、洗濯表示で確認してください。
塩素系漂白剤は頑固な汚れを落とすのに効果的ですが、毛や絹、ナイロンやポリウレタン繊維の衣類には使用できません。

家庭で行える黄ばみ取りの方法

食器用洗剤で洗う

襟足や手首など、部分的な黄ばみを落としたい場合は、キッチンで使う食器用の洗剤が役立ちます。
やり方はまず黄ばみの部分をぬるま湯で濡らし、そこに食器用洗剤を少量垂らします。
歯ブラシなど柔らかめのブラシで、上下左右に優しくこすってください。
泡立ちが悪くなったら洗剤を足しながらこすり、黄ばみが取れたら食器用洗剤をよく洗い流してから、洗濯機で通常通りに洗濯します。

漂白剤でつけ置きをする

ワイシャツの黄ばみを落とす方法で思い浮かぶのが漂白剤でつけ置きする方法だと思います。
使用する漂白剤は、酸性もしくはアルカリ性のものがありますが、前述で述べた通り、皮脂汚れを落としやすいアルカリ性の漂白剤を使用します。
アルカリ性の漂白剤は粉末タイプのものを使用し、ワイシャツにふりかけて、お湯を入れてつけ置きします。
つけ置きする際には、上からラップをかけるとお湯の温度が下がりにくく効果的です。

固形石鹸で落とす

固形石鹸を用意して、気になる黄ばみ箇所にこすりつけて洗うことで黄ばんでいる箇所を集中的に洗うことができます。
使用する固形石鹸もアルカリ性のものを使用してください。

重曹やセスキ炭酸ソーダを使う

黄ばみ汚れが頑固な時は、アルカリ性の重曹やセスキ炭酸ソーダを使ってみてください。
酸性の皮脂汚れに対して効果があり、黄ばみ落としに最適です。
重曹を使う場合はぬるま湯を使ってペースト状にしたものを黄ばみの箇所に塗り込みます。
セスキ炭酸ソーダなら、水に溶かしてスプレーボトルで吹きかけるのがおすすめです。
どちらも塗布してから10〜20分程度置いた後、ブラシで軽く擦ったり、生地を優しく揉んで汚れを落とします。

最後はしっかりすすいでから、通常の洗濯をしてください。

酸素系漂白剤で落とす

襟や袖口ではなく身ごろに広くついてしまった黄ばみを落とすなら、酸素系漂白剤がおすすめです。
酸素系漂白剤を使う場合は、皮脂汚れが落としやすい、アルカリ性の粉末状のものを使いましょう。
使い方は、50度くらいのお湯に酸素系漂白剤を溶かし、黄ばみ部分をつけおきします。30分程度置いたらよくすすぎ、その後通常の洗濯をしてください。

煮洗いをする

厚手の丈夫な生地を使ったワイシャツであれば、煮洗いする方法もあります。

ただしこの方法は生地を痛めるリスクがあるので、薄手のシャツや色柄ものでは行わないでください。

やり方は、ワイシャツが入る大きめの鍋に水と酸素系漂白剤(粉末)、洗濯用洗剤を入れます。
量の目安は水1リットルに対して漂白剤が小さじ1、洗濯洗剤は小さじ2程度です。
鍋を火にかけて洗剤と漂白剤をよく溶かしたらワイシャツを入れます。
その後弱火で30分程度煮込みますが、この時泡がたくさん出るので、かき混ぜたり一旦火を止めるなどして吹きこぼれないようにしてください。
煮込んだ後はそのまま1日ほどつけおきし、その後よくすすぎます。

超音波洗浄機を使う

頑固な汚れには、超音波洗浄機を使うのもおすすめです。
超音波洗浄機は一般的にはまだ馴染みが薄いかもしれませんが、家電好きの方ならご存知の方もいるかと思います。
超音波洗浄機を使うことで、生地を痛めず繊維の奥の汚れを落とすことができます。

クリーニング店でも使われているプロの道具ですが、一般家庭向けのものもあるので、興味がある方はチェックしてみてください。
また、最近では家庭用洗濯機と一体化されているものもあるので、洗濯機を買い替える機会に検討してみるのもおすすめです。

家庭で落とせない場合はプロへ依頼

黄ばみ落としを家庭で試したけどうまくいかないという方や、黄ばみが頑固で落とし切れるか自信がないという場合は、プロに依頼するのも解決方法の一つです。
染み抜きを専門にしているクリーニングサービスを利用してもいいですし、一般的なクリーニング店でも黄ばみ取りや汗抜きといったオプションが利用できます。

クリーニング店では業務用の洗剤や機械を使って、繊維の奥の汚れも綺麗に取り除きます。
このため、普段からクリーニング店に出すことで、皮脂汚れを繊維に溜めずにすみ、黄ばみ予防にもつながるのでおすすめです。

黄ばみの予防方法について

ワイシャツが入れられている洗濯機

ついてしまった黄ばみを落とすのは、手間もかかりますし、無理に洗って生地を痛めてしまうのも心配ですよね。
ここからは、なるべく黄ばみを作らない、ご家庭でもできる予防方法をご紹介します。

早めに洗濯する

皮脂汚れを定着させないためには、こまめな洗濯だけでなく、早めの洗濯も大事なポイントです。
汗をかいて帰宅したら、すぐに着替えて洗濯することで、皮脂汚れが繊維に深く染み込む前に対処できます。
冬場など汗をかかない季節でも、襟元の皮脂汚れはつくものです。
季節を問わず、帰宅してワイシャツを脱いだらすぐ洗濯する習慣をつけることで、黄ばみ予防にもなりますよ。

すすぎ洗いを2回行う

新しい機種のものを中心に、節水機能が充実した洗濯機が増えています。
ドラム式の洗濯機も少ない水でしっかり洗えることをウリにしているものがほとんどですよね。
でも実は節水のしすぎは、すすぎが不十分になる可能性があるのです。
汚れを落とし切り、洗剤もしっかり落とすためには、十分な水流や水量がポイントです。
節水タイプの洗濯機を使われている場合は、夏の汗をたくさんかくシーズンだけでも、すすぎを1回余計に回すことをおすすめします。

洗濯のりでコーティングする

シャツをパリッとさせたい時に使用するアイロン時の衣類のりを使用することで、コーティングの役割を果たし、汚れを直接ワイシャツにつきにくくしてくれます。
透明なので、色もつかずシャツはパリッと仕上がるのでおすすめです。

ベビーパウダーをつける

ベビーパウダーは、汗や皮脂を吸収してくれるので、洗濯が終わって着る前のワイシャツにベビーパウダーをつけることで、ワイシャツに直接汗や皮脂がつくことを防いでくれます。
また、ベビーパウダーは、洗濯によって簡単に落とすことが出来るので安心です。

布テープを貼っておく

黄ばみが出やすい箇所に、予め布テープを貼っておくことも効果的です。
テープを貼ることでワイシャツに直接汚れがつくことを防ぐことができ、テープが汚れてきたら剥がして新しく貼るだけです。
簡単に効果的にワイシャツの黄ばみ予防をすることができます。

アルカリ性の洗剤を使用する

汗や皮脂汚れは、酸性の汚れなので、反対のアルカリ性の洗剤を使用することで、汚れを落としやすくなります。
洗剤パッケージの成分表記を確認して「アルカリ性」と表記された洗剤を使用することがおすすめです。

防水スプレーを使用する

あらかじめたくさん汗をかきそうだとわかっている日の予防策として、防水スプレーの活用があります。
襟元や袖口など、黄ばみやすい部位にフッ素系の防水スプレーをかけておくことで、汗を弾いて染み込みを防ぐことができますよ。
スプレーの薬剤は吸い込むといけない場合がほとんどなので、換気をしたりマスクをして作業してください。
また、場合によってはスプレーの薬剤で被れることもありますので、肌が敏感な方にはおすすめできません。

まとめ

外干しされているワイシャツ

ワイシャツの黄ばみは汗をかいたその場で色づくものではありません。
このため、日々のお洗濯ではなかなか気づかず、いつの間にか黄ばんでいたという経験をした方もいるのではないでしょうか。
ワイシャツを黄ばみなく長持ちさせたいなら、脱いだらすぐに洗濯する癖をつけ、この記事の予防策も参考にしてくださいね。
黄ばみを見つけてしまった場合も、重曹や固形石鹸などで落とせる方法がありますので、ぜひ試してみてください。

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