厳しい冬の寒さが終わりを告げ暖かくなる頃、車に細かい砂のようなものが付着していたり、何となく空気が黄色く淀んでいたりする日に遭遇したことはありませんか?

原因は「黄砂」が空気中に浮遊しているからです。

浮遊した黄砂が洗濯物に付着し、吸い込むと、健康面にも悪影響があります。

本記事では、黄砂とは何か、黄砂が多く飛ぶ時期におすすめの洗濯方法を紹介します。

黄砂とは?


黄砂とは、「中国のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠で舞い上がった砂じんが、高さ数千メートルまで舞い上がり、偏西風に乗り海を越えて日本に到達する現象」を言います。

昔から中国にも砂漠はありましたが、黄砂が話題にあがるのは、ごく最近のことです。
中国では今日、「過放牧」や農地を都市化する「農地転換」などにより森が消え、土が劣化することが原因で砂漠化が進んでいます。

砂漠の砂が増えることで、黄砂が日本に飛散する量が多くなっているのが原因とされています。

黄砂の降る量が多くなり、被害も甚大となってきていることから、黄砂は自然現象ではなく「環境問題」として取り扱われるようになりました。

黄砂の時期はいつ?

季節的には、アジアの砂漠で砂嵐が観測される、毎年2月から5月頃が黄砂の時期です。

そして偏西風が強くなる4月から5月頃になると、黄砂のピーク期がやってきます。

暖かくなり季節が夏に近づくと、偏西風が弱まるため、黄砂の被害も落ち着き始めます。
中国に近い九州地方、特に福岡は黄砂の被害が甚大です。

近年では黄砂の量が増加していることから、これまで観測されなかった東京や北陸までも、偏西風に乗って黄砂が飛散しています。

黄砂情報をチェックするには?

黄砂がいつ、どのくらいの量降ってくるのか知っておくと、洗濯物を外干しできるかどうかの目安になります。

気象庁や日本気象協会などのホームページや、スマートフォンのアプリでも、黄砂の降る量を把握することが可能です。

黄砂の降る量は地域によっても違うため、お住まいの地域に合わせた情報をチェックしましょう。
黄砂の時期は、天気予報と合わせて毎朝起床後のチェックを心掛けると安心です。

黄砂が洗濯物につくと困る理由は?

黄砂が洗濯物につくのがなぜ「困る」とされているのか、理由を2つ解説します。

黄砂の性質

黄砂の粒子は砂というより泥といっても過言ではないくらいに粒子が小さく、その大きさはスギ花粉の10分の1程です。
不溶性の性質を持つことから、油はおろか、水さえも溶けることはありません。
そのため、衣類に付着すると繊維の奥まで入り込み、なかなか除去ができません。
とくに濡れた衣類に黄砂が付いた場合は、はたいても取ることは難しいでしょう。

黄砂による健康被害

黄砂の粒子が小さいために、空気中に浮遊した黄砂を吸い込むことで、咳やくしゃみ、悪化すると喘息などの呼吸器系のトラブルに見舞われる可能性もあります。

ただの砂漠の砂が、これ程の健康被害が出るのには理由があります。

黄砂は日本の空を浮遊する間に、空気中のアレルゲン物質や大気汚染物質と結合してしまいます。

大気中には他にも、微小粒子状物質のPM2.5も含まれることがあり、大人は勿論のこと子供がいるご家庭では黄砂の付着は特に注意が必要です。

黄砂の時期のおすすめの洗濯方法について

洗濯物に黄砂が付着するのが心配な時期は、どのように干せばよいのでしょう。

黄砂を付着させたくない場合には、安心な部屋干しがおすすめです。

部屋干しの場合は、洗濯物が乾くまでの時間が長くなると、雑菌が繁殖し、嫌な臭いのもとになります。

またお天気が良く、どうしても外に干したいときには、衣類に黄砂が付着するのを防ぐコツもありますので、紹介します。
大容量の洗濯物を一気に片づけたい場合は、コインランドリーの活用も選択肢の1つです。

部屋干しがおすすめ

黄砂の時期は、外気に当たらない部屋干しがおすすめです。
部屋干し時に心配な生乾き臭を予防し、洗濯物を効率よく乾かすためのコツがあります。
・サーキュレーターや扇風機を使い空気の流れを作る
・エアコンのドライ機能や除湿器を使う
・陽が当たる場所を選ぶ

洗濯物を干すときに、効率よく乾かす干し方は次のとおりです。
・洗濯物同士を離して干す
・両端に長い洗濯物が来るように、アーチ型に干す
・ズボンは裏返し、ウエスト部分を筒状に吊るして干す
以上のように干すと、空気が流れやすくなり、より効率的に干すことが可能です。
電気代はかかるものの、洗濯乾燥機や浴室乾燥機が家に設置されている場合は、有効に活用しましょう。

どちらにせよ、サーキュレーターや扇風機は省エネで他のアイテムとも併用可能ですので、一家に1台あると便利です。

どうしても外に干したいときは?

お天気の良い日はお日様に光を借りて、外で気持ちよく洗濯物を乾かしたくなりますよね。

黄砂の時期のお助けアイテムとして、「洗濯物カバー」があります。

黄砂を通さない素材でできたカバーを、洗濯物に被せると、外干しでも洗濯物を守れます。

洗濯物カバーの素材は、通気性が良く衣類に含まれる水分も効率よく外に逃がしてくれます。
またお日様の光を集める優れた機能がある素材もあり、洗濯物をしっかり乾かせます。
突然の雨でも安心な、表面に撥水加工がされた洗濯物カバーがあったりと、様々な機能を持つものがありまので、洗濯スタイルに合わせて選びましょう。

外干し後に洗濯物を取り込む時は、念のため手ではたくことをおすすめします。

また室内に取り込む際、洗濯物が乾いていない場合は黄砂が付着している可能性があるので、洗濯機のすすぎコースをしてから室内干しをすると安心です。

コインランドリーがおすすめ

大容量の洗濯物を一度に乾燥できるコインランドリー。
家族が多いご家庭や、普段忙しく週末にまとめて洗濯するルーティンのあるご家庭には、コインランドリーがおすすめです。
コインランドリーの乾燥機は高温のため、デリケート素材には使用ができないので、洗濯表示を確認しましょう。

他にも嬉しい効果として、黄砂が付く予防だけでなく、衣類を短時間・高温で一気に乾かすことで、生乾き臭を心配することがなくなります。

コインランドリーは天候関係なく洗濯ができ、衣類だけではなく布団など大物の洗濯にも対応できるので、大変便利です。