「トコジラミ(南京虫)って洗濯すると落ちるものなの?」
このようにお悩みではありませんか。
たしかに衣服に付いた可能性があれば、洗濯だけで落ちるのか気になりますよね。
この記事では、放っておくと人体の痒みを引き起こす原因となるトコジラミを駆除する対策方法を解説します。
また、自宅やコインランドリーでの正しい洗濯方法も紹介しているので是非参考にして下さい。
目次
トコジラミとは?
トコジラミはカメムシの仲間です。
吸血した血液を凝固するために唾液を分泌し、この唾液が人体に付着するとアレルギー反応を起こし、激しい痒みや人によっては蕁(じん)麻疹を引き起こします。
トコジラミは、海外から日本に来日した旅行者がトコジラミのついた荷物をスーツケースで移動したことにより被害が拡大したといわれています。
ベッドやカーテン、果ては大型家具の隙間や衣類にまで付着しているため、たとえこまめに掃除をしていたとしても家庭内には必ず生息している害虫です。
完全に駆除するには、専門業者に依頼しなければならないほど厄介な害虫となります。
トコジラミは洗濯をしただけで死ぬことはない!
トコジラミは、洗濯しただけでは死滅させることはできません。
しかし、熱に弱いため高温で乾燥させることにより死滅させられます。
温度 | 時間 |
50℃ | 30分 |
80℃ | 5分 |
100℃ | 数秒 |
衣類乾燥機付きの洗濯機であれば、トコジラミが付着した布団や衣類も洗濯から乾燥まで一気に乾かすことで駆除することが可能です。
ただし、洗濯機まで移動させる際には、ビニール袋に入れてからトコジラミが床に落ちないように慎重に運んでください。
また、使用したビニール袋は処分しましょう。
自宅でできるトコジラミを駆除する方法7選
ここからは、自宅でできるトコジラミを駆除させる方法を7つ解説します。
トコジラミは放置すればするほど卵を産みつけてどんどん繁殖していくので、被害が拡大する前に対処することが大切です。
①高温乾燥
トコジラミは熱に弱く、50℃に30分、60℃に10分程度、100℃近くなら数秒さらされれば死滅するとされています。
そのため、高温で乾燥ができる家庭用ドラム式洗濯機や、洗濯後にガス式乾燥機で一気に乾かす方法がおすすめです。
特に海外旅行で着用した衣類はすぐに洗濯するようにしてください。
トコジラミは水に強いため、殺菌作用の強いアルカリ性洗剤を使用するようにしましょう。
また、ネットニュースにおいて海外通販で購入した衣類にトコジラミが付着しているといわれていますが、基本的に検品をしてから発送しているので心配はする必要はありません。
ただ気になるのであれば、梱包された段ボールにもトコジラミが付着している可能性もあるので屋外で開封してから一度衣類を洗濯&乾燥すると安心できるでしょう。
日本環境衛生センター「トコジラミとその効果的な防除法」参照
②掃除機&布団乾燥機
トコジラミが付着した布団などを無理に洗濯機に運ぼうとするのではなく、まず掃除機で吸い取った後に布団乾燥機で乾燥させるというのも有効な方法です。
掃除機をかける際は、付属のブラシ付きノズルを使用せず、なるべく小さな範囲をゆっくりとこまめにかけるようにしてください。
そうすることで、トコジラミの死骸をまき散らすことなく吸引できます。
その後、布団乾燥機で布団を乾燥させれば効果的です。
③煮沸消毒(つけ置き洗い)
熱湯につけ置きができる物であれば、煮沸消毒が効果的に死滅させられるので安心です。
100℃の熱湯であれば、わずか数秒で死滅させられ、皮脂汚れや汗などの匂い対策にもなります。
ただし、熱処理をするとどうしても脱色や風合いが損なわれる可能性が高くなるので注意してください。
その場合は、50℃のお湯をキープしながら30分ほどつけ置き洗いをすると良いでしょう。
どうしても色落ちしてほしくない物、型崩れや劣化が気になる物は、縮みやすい素材でないかどうか洗濯表示をよく確認してから乾燥機を使用することをおすすめします。
④ドライヤー
小さなぬいぐるみやヘア小物(シュシュ・ターバン)は洗濯洗剤で手洗いをした後、ドライヤーの熱風を当ててしっかり乾燥させれば問題ありません。
一般的なドライヤーの熱は、吹き出し口から100℃〜120℃まで熱風が出ています。
髪を乾かすときと同様に、直に吹き出し口をつけないで熱風を当てた場合でも、70℃~80℃で乾かせるので、5分から10分程度乾かすと十分でしょう。
特に小さな子どもが口に入れられる大きさの物は、家庭の中にある身近なドライヤーでその都度こまめに対処することをおすすめします。
⑤衣類用スチームアイロン
衣類用スチームアイロンのように、蒸気をあてながらアイロンをかけることでトコジラミを死滅させられます。
ただし、マットレスのような大型寝具には蒸気を当てられる範囲が狭く不向きです。
この場合は、家庭用のアイロンで表面だけスチーム機能を使用すると楽に熱処理ができるでしょう。
⑥天日干し
布団を洗って天日干しする場合、真夏の猛暑で日差しが照り返すような暑さであればまだいいのですが、それでも完全に死滅させるまでには至りません。
特に気温の下がる冬場は難しく、逆に生乾きのままだとトコジラミが死滅せず繁殖し続けることとなるので気をつけてください。
どうしても乾燥機に入らない布団などの大型寝具は、黒いビニール袋をかけてある程度天日干しをしてから、コインランドリーで乾燥機にかけることをおすすめします。
⑦薬剤(殺虫スプレー)
トコジラミ専用の殺虫効果のある薬剤(殺虫スプレー)を使用する方法があります。
トコジラミは夜行性なので、日中の間にスプレーをするだけで手軽に駆除できるのでおすすめです。
ただし、妊婦や乳幼児がいる家庭で使用する場合は、噴射後に喚起することを忘れないようにしましょう。
トコジラミが生息している場所
ここからは、トコジラミが生息している場所を一覧表にして紹介します。
- 洋室・・・壁・天井・床板の角ソファーなど大型家具の隙間・裏側本棚の接地面(本自体にも付着の可能性あり)カーテンカーペット・絨毯・マットなどの敷物と敷物裏絵画の額縁や壁との接地面クッション
- 和室・・・壁・天井・床板の角ソファーなど大型家具の隙間・裏側本棚の接地面(本自体にも付着の可能性あり)カーテンカーペット・絨毯・マットなどの敷物と敷物裏絵画の額縁や壁との接地面クッション
この他にも、室内で段ボールや梱包資材、新聞紙などの紙類を保管している家庭は稀にトコジラミが付着している可能性もあるので注意しましょう。
大切なのは室内で長期保管をしないことです。
資源品の回収日が決まっており、すぐに処分できない場合は、地域によっては回収BOXが設置されておりまとめて処分できるので活用してください。
トコジラミがベッド周りに発生した時のお手入れ方法
ここからは、特にトコジラミが発生しやすいベット周りのお手入れ方法を解説します。
自宅の洗濯機で洗えるものは丸洗い&乾燥が基本です。
マットレスやベッドフレームのように洗えない物のお手入れ方法も紹介しているので参考にしてください。
タオルケットなどの薄手の布団の場合
タオルケットのような薄手の布団の場合は洗濯機で丸洗いし、乾燥機にかけるようにしましょう。
布団の肌触りをキープするために少量の柔軟剤を入れても構いませんが、なるべくなら洗浄力のあるアルカリ性洗剤でしっかり除菌をする方がおすすめです。
またその後すぐに衣類を洗うのに抵抗がある人は、洗濯槽クリーナーや漂白剤を使って洗濯槽を除菌してから洗えば問題ありません。
毛布などの厚手の布団の場合
毛布などの厚手の布団の場合も薄手の布団と同様に丸洗いできるのであれば、丸洗いし、乾燥機は高温設定でしっかり乾かすと安心です。
もしも自宅の洗濯機に乾燥機機能がない場合や、高温設定の乾燥機能がない場合は、クリーニング店か、コインランドリーに持参することをおすすめします。
一般社団法人日本コインランドリー連合会が実施したコインランドリーで使用される洗濯乾燥機によるトコジラミの死滅試験によると、10分乾燥させることで完全に死滅したという結果が報告されました。
コインランドリーのガス乾燥機は、中心部の温度が100℃程度で排気出口部分も70℃と高温で一気に乾かすことでき、トコジラミを確実に致死させることが実証されました。
したがって、コインランドリーは布団の厚みだけでなく天候にも左右されないので、しっかりと丸洗いから乾燥までできるので大変便利です。
羽毛布団の場合
羽毛布団は、布団カバーをかけたまま天日干しをしましょう。
もちろん布団カバーはきれいに洗ったものをかけて干してください。
ただし、直射日光が当たる中で干すと羽毛自体を傷める原因となるので避けるようにして、1時間程度を目安に裏表を干すと良いでしょう。
最後に天日干しをした後は、風通しの良いところで予熱を取ってから取り込むようにすると羽毛布団の柔らかさを損なうことなくお手入れできます。
枕カバー・シーツ類の場合
枕カバーやシーツ類は、洗濯機で丸洗いし、乾燥機で乾かしてください。
シーツ類は幅を取るので浴室乾燥をする人もいますが、なるべくならお風呂の湯気で湿気がこもりやすくなるためおすすめはできません。
どうしてもということであれば、入浴後に扇風機をかけて空気を循環させ湿気を逃がすようにしましょう。
できる限り湿気がないように乾燥をさせることで繁殖を防げます。
枕の場合
枕は素材によって、40℃〜50℃程度のお湯につけ置き洗いか、陰干しをしてください。
枕の中身が丸洗いできる素材は説明書通りに洗えます。
一方、備長炭や竹、テンピュール枕は洗えないので、こまめに枕カバーを洗って取り換えるようにしましょう。
また、オーダーメイドでオリジナル枕を作ると、購入サービスとして除菌してくれる寝具専門店もあるので気になる方は利用を検討してみるのもおすすめです。
マットレスの場合
マットレスは、布団用の掃除機と天日干しがベストです。
忘れがちになりますが、マットレスの側面にも掃除機をかけることでトコジラミを吸引して綺麗にしてください。
そうすることで、マットレスを持ち上げたときにまき散らす可能性を最小限に抑えられます。
その後は直射日光を避け、十分に天日干しをして湿気を飛ばしましょう。
その際に裏側にも掃除機をかけることをおすすめします。
ベッドフレームの場合
ベットフレームにもトコジラミは付着しているので、日中の間にトコジラミ専用殺虫スプレーを使用して駆除しておくと良いでしょう。
またベットフレームの隙間にもトコジラミの死骸が落ちているかもしれないので、掃除機で軽く吸引しておくとより安心です。
重たいベットフレームは持ち上げるのが難しいので、引越しなどのタイミングを利用して裏側にスプレーをしてから業者の人に運んでもらってください。
ベットフレームの裏側にもスプレーしておくと、新居でのトコジラミの侵入防止対策が徹底されるでしょう。
トコジラミを増殖させないための5つの注意点
最後に、トコジラミを増殖させないための注意点を5つ解説します。
部屋を明るくする
トコジラミは夜行性のため明るさに弱く、リビングや寝室の電気をつけたまま寝れば、トコジラミに刺される確率を下げられます。
衣類等に付着している可能性がある場合も、一時的にクローゼットに明かりをつけて暗くならないようにすることでトコジラミが出てくるのを防げるでしょう。
すぐに対処ができないときの一時的な対処方法として有効です。
部屋を清潔に保っておく
日頃から整理整頓をして部屋を清潔に保つようにしましょう。
トコジラミが産卵を好む場所は、物が密集している暗い場所で、発見が遅れてしまうことが多いので注意が必要です。
卵の段階では被害はありませんが、5日~11日程度で孵化して繁殖するので、日常生活でトコジラミの成虫や卵が潜んでいそうな場所を念入りに掃除しておきましょう。
旅行の前後は対策を徹底しておく
海外旅行のスーツケースや荷物のトコジラミの予防策は以下の通りです。
- 旅行前・・・明るい場所で荷造りをする衣類は清潔なチャック付きビニール袋に入れてパッキングする
- 旅行中・・・壁紙・床・ベッドの隙間に死骸がないかチェックするベッドから離れた場所で荷物を広げる
- 帰宅後・・・玄関で荷物を広げ、部屋に持ち込まないようにする衣類はすぐに洗濯&高温乾燥をするスーツケースは殺虫スプレーをかける
旅行先のホテルや宿泊施設で、トコジラミの痕跡(黒い小さなシミ)を確認した場合は、別の部屋に移動を交渉するか対策をお願いしてみましょう。
また留学やホームステイ、長期出張の場合は、殺虫スプレーを1本準備しておくと安心です。
通販で頼んだ荷物は外で開封する
海外の通販で購入した商品の段ボール・梱包材にはトコジラミが付着していることもあるため、荷物の開封は外でするようにしましょう。
また段ボールや梱包材は室内に持ち込まず、なるべく早めに処分するか、玄関前で保管して資源品として処分するようにしてください。
トコジラミを家の中に侵入させないようにすることが大切です。
中古品を購入する際はよく確認をする
中古品を購入する場合は、トコジラミや他の害虫が潜んでいないか確認をしましょう。
特にベッドや布製ソファーなどの大型家具を中古で購入する場合は、外装に穴やシミがないか裏表念入りにチェックさせてもらうようお願いします。
購入後は、蒸気を当てたり、殺虫スプレーをふりかけたり、できる限りの洗浄・消毒をするようにしましょう。
トコジラミ対策にはコインランドリーが有効的!
年々、家庭用の洗濯乾燥機の性能も向上していますが、布団や毛布を高温で乾燥させるとなると、やはり大型の洗濯乾燥機を備えたコインランドリーの利用がおすすめです。
コインランドリーにある大型の洗濯乾燥機であれば、かけ布団や毛布はもちろん、敷布団のような自宅で洗えない物の洗濯・乾燥が一気に解決します。
コインランドリーの洗濯・高温乾燥は、押し入れで保管する間にトコジラミの繁殖を防ぐためだけでなく、衛生面を気にする方にピッタリの方法といえるでしょう。
出かける前に近所のコインランドリーの空き状況を検索できる、コインランドリー総合サイト「LAUNDRICH(ランドリッチ)」で調べてから出かけましょう。
「LAUNDRICH(ランドリッチ)」なら、スマホ1つで約3,700件のコインランドリーから設備の有無や待ち時間も確認でき便利に利用できます。
また、洗濯のトラブルチェックに役立つ情報も配信しているので参考にしてください。
LAUNDRICH編集部
コインランドリーの使い方や洗濯のコツ、衣類のお手入れ方法などのお役立ち情報をお届けします。