「サステナブル洗剤を使いたいけど、どれを選べばいいのだろう?」

そのようにお悩みではありませんか?

たしかに、サステナブルが叫ばれている昨今においても合成洗剤に比べて情報を得にくく、どの洗剤を使ったらよいのか迷ってしまいますよね。

そこでこの記事では、環境や人に優しいサステナブルな洗剤を、10個に厳選してご紹介します。

地球の豊かな自然を後世に残せるよう、環境に配慮した暮らしを心がけたいですね。

洗濯洗剤が環境と人体に与える影響

まずは、洗濯洗剤が環境や人体にどのような影響を与えるのかをきちんと知っておきましょう。

洗濯排水が与える環境負荷

洗濯などで出る家庭排水は、下水処理場で処理されてから環境中に排出されます。

しかし、一部では未処理の排水がそのまま河川や土壌に流出しており、自然浄化されない毒性のある成分が問題となっています。

全自動洗濯機が普及して合成洗剤の使用量がぐんと増えた1960年、洗剤に含まれる「分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」(ABS)という界面活性剤や「リン酸」が河川に大量に流れ出ました。

これにより河川は泡立ち、リン酸による富栄養化でプランクトンが爆発的に増えて赤潮が発生・水中の酸素が減少、さらに自然界で分解されないASBが毒となり、水中に生きる多くの命が失われました。

もちろん、こうした問題を受けて研究は進み、近年では洗剤による環境汚染は減っています。しかし下水道が普及していない地域が残っており、すべての課題に対応できていないのもまた事実です。

化学成分の人体へのリスク

人によっては、洗濯物の残留活性剤はアレルゲンとなってしまいます。

近年、原因不明のアレルギーや化学物質過敏症に悩まされている人が増加しています。

ある研究では、マウスへの実験で洗剤に含まれる界面活性剤を吸入させると、気道のバリア障害とともに喘息のような好酸球性気道炎症が誘導されることが明らかになりました。

そして洗濯洗剤等に含まれる界面活性剤が、空気中・床・ベッド・ソファ・クッションなどから検出されたのです。

(参考:洗濯用洗剤と界面活性剤は、IL-33の発現増強とILC2の活性化を介して好酸球性気道炎症を誘導する

もちろん、現在販売されている洗濯洗剤を含めたあらゆる洗剤は、人や環境に配慮し、一定の基準を満たしているものばかりです。

しかし、アレルギーとはいかないまでも、洗剤による手荒れやひび割れに悩まされている人は少なくありません。

汚れを落とすために強力に作られた洗剤や自然界にない化学成分が、すべての人において無害であるとは言い切れず、少なからず人体に刺激を与えているだろうと考えられます。

エコ洗剤と従来の洗剤の違い

エコ洗剤と従来の洗剤は、使用されている界面活性剤の量や性質が異なります。

界面活性剤とは、簡単に言うと「本来反発しあう油と水を馴染ませやすくする」成分です。

水だけでは反発して落とせない油汚れなどを落としている成分ですので、洗剤には必要な成分といえます。

この界面活性剤には、非常に多くの種類が存在します。例えば、マヨネーズの酢と油をつなぐ役割を持つ卵は界面活性剤です。

従来洗剤ではより強力な汚れ落ちを求め、環境負荷の大きい石油由来の界面活性剤や化学物質を使用している製品が多くありますが、エコ洗剤では、これらの使用は避けられています。

界面活性剤の量を減らし、植物由来の自然分解されやすい性質の界面活性剤で作られているのが「エコ洗剤」です。

サステナブルな洗剤の選び方4つ

ここでは、数ある洗剤の中から環境に配慮した洗剤を選ぶためにチェックしたいポイント

を4つご紹介します。

認証マークを確認

認証マークの有無を確認すれば、環境に配慮した洗剤であるかを簡単に見分けることができます。

以下は、代表的な認証マークです。認証基準や範囲はそれぞれ異なりますので、購入の際には各認証マークの意味を理解して選ぶことが重要です。

マーク
エコマーク
生産から廃棄までのサイクル全体を通して
環境への負担が少なく、
環境を守るために役立つと認定された商品に表示
RSPO認証
パーム油を原料に作られた商品のうち、
「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」が
定める基準をクリアした商品に表示

アブラヤシの果実から取れるパーム油は洗剤・食品・化粧品などに使われ需要が高く、パーム農園の増加にともなう熱帯雨林の減少が問題視されています。

RSPO認証商品を購入することで、熱帯雨林の保護と搾油で働く人の支援に貢献できますよ。

また、このほかにもEUエコラベル(欧州連合)、Green Seal(アメリカ)などが環境への配慮を示す信頼性の高いマークとして広く認知されています。

石油由来成分が使用されていないか確認

石油由来成分は使い勝手がよく大量生産できるため従来洗剤でよく使用されていますが、環境のことを考えるなら避けたい成分です。

まず、石油由来成分は分解されにくく自然界に残りやすいという問題があります。

そして石油は無限に採れるわけではなく、さらには採取や精製の過程で大量の二酸化炭素が排出されてしまうのです。

一方で、植物由来の成分は分解されやすく自然に循環しやすいほか、繰り返し栽培することができます。

環境に優しい洗剤を購入するなら、ヤシの実や天然製油などを原料とした、「オーガニック洗剤」「100%天然由来」などと表記されている商品を選びましょう。

生分解性の高さを確認

環境を考えたときに無視できないのが、生分解性の高さです。

洗剤の界面活性剤は、微生物により最終的には水と炭酸ガスにまで分解されます。

界面活性剤の種類は数多く、素早く分解されるものもあれば、分解にかなりの時間を要するものもあります。

環境負荷を考えるなら、素早く分解される「生分解性が高い」洗濯洗剤を選びましょう。

しかし、生分解性の高さについての表示義務はなく、ほとんどの洗剤が生分解性について明確な数値を明記していません。

商品によっては公式サイトで生分解性の高さについて解説されていることがありますので、気になる商品は公式サイトをチェックしてみましょう。

容器も要チェック

環境のことを考えるなら、洗剤成分だけではなく環境に配慮した容器であるかもチェックしましょう。

現在使用しているボトルがあるなら、ボトル入りではなく詰め替え用を購入することでプラスチックゴミを削減できます。詰め替え用は価格も安く、お財布にやさしいのもメリットです。

また、新たな石油資源を使わない再生PETボトルもサステナブルな選択といえます。

粉洗剤であれば紙パッケージが採用されていることもあり、洗濯シーンでの脱プラスチックを目指すことも可能ですよ。

環境に優しい◎おすすめ洗濯用洗剤5選

ここでは、環境に配慮したおすすめの洗濯洗剤を5つに厳選してご紹介します。

エコベール|ランドリーリキッド

エコベールは、100%再生プラスチックボトルを使用し、植物由来の洗浄成分でつくられています。

酵素・蛍光漂白剤・着色料は無配合、英国アレルギー協会認定商品でもあり、環境だけではなく人にも優しい洗剤です。

さらに、動物実験を行わない企業の証明である「リーピングバニー認証」を取得し、国連の「グローバル500賞」や「環境管理賞」等も受賞しています。

ラベンダーの優しい香りで洗浄力も申し分なく、国内外で人気の商品です。おしゃれ着用洗剤や柔軟剤など、種類豊富なラインナップも魅力ですよ。

認証マークエコマーク
界面活性剤含有量12%
表示成分界面活性剤(12% ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
アルキル硫酸エステルナトリウム)、溶剤、pH調整剤、増粘剤
公式サイトhttps://www.ecover.co.jp/laundry/

フロッシュ|衣料用洗剤 濃縮タイプ アロエヴェラ

フロッシュは、世界でも環境先進国であるドイツで誕生した洗濯用洗剤で、日本では旭化成が国内販売権を取得して販売しています。

フロッシュの洗剤はマイクロプラスチック・ホルムアルデヒド・EDTA・有機ハロゲン化合物を含まず、排水後28日以内に98%の成分が生分解して自然に還ることが証明されています。

またフロッシュは、プラスチックのリサイクルに非常に積極的です。100%再生エコボトルを利用し、燃やす・埋め立てる・捨てることなく環境を守ることに重きを置いています。

認証マーク・EMAS: integrally sustainable・ISO14001・A.I.S.E.
界面活性剤含有量36%
表示成分ヤシ油脂肪酸塩、酵素、香料、アロエベラ
ラウリル硫酸ナトリウムポリオキシエチレン(EO7)アルキエーテル
公式サイトドイツ:https://frosch.de/de/
日本:https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/products/frosch/https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/products/frosch/environment/

サラヤ| ヤシノミ 洗たく洗剤 濃縮タイプ

ヤシノミの洗剤は植物性洗浄成分100%で、石油系界面活性剤・蛍光剤・漂白剤・香料・着色料・抗菌剤を使わず、不要なものを入れないことにこだわっています。

環境への配慮はもちろん、皮膚科医100人のうち97人が推奨している、人にも優しい洗濯洗剤です。

また、販路が限られていて入手しにくいサステナブル洗剤が多いなか、ドラッグストアやスーパーで気軽に購入できるのも嬉しいポイントでしょう。

他にも、洗浄力が高く生乾き臭の元となるモラクセラ菌を99.99%除菌、洗剤残りせずすすぎは1回でOK、売上でボルネオ環境保全活動に貢献できるなど、魅力の多い商品です。

認証マークRSPO認証エコマーク
界面活性剤含有量32%
表示成分界面活性剤(32%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシアルキレンアルキルアミン、
純せっけん分(脂肪酸カリウム))安定化剤
公式サイトhttps://www.yashinomi.jp/products/sentaku.html

緑の魔女 ランドリー

緑の魔女は環境先進国ドイツで誕生し、日本ではミマスクリーンケアが製造・販売を行っています。

注目すべきは、洗剤使用後の排水です。緑の魔女の排水は排水パイプ中の微生物に栄養を与え、微生物を活性化させることによって生分解性を高めます。

ヒトの腸内菌を活性化するヨーグルトのような役割を果たすと考えるとわかりやすいでしょう。

洗濯槽をきれいに保てるためにおいの心配がなく、排水による環境汚染に配慮された洗剤です。

認証マーク
界面活性剤含有量35%
表示成分界面活性剤 (35%ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)、
アルカリ剤、分散剤、安定化剤、生分解促進剤
公式サイトhttps://midorinomajo.com/

暁石鹸|暁ローブ 洗濯用液体石けん

暁ローブは使用後、水・酸素・炭酸ナトリウムに分解されほとんど環境に負荷を与えないため、成分解の必要がありません。

アルカリ剤が入っていないためおしゃれ着洗いにも使用でき、ひどい汚れには「暁ローブ酸素系漂白剤」が併用可能です。

1951年の創業以来、環境を考えて研究を続け、安全で安心して使える石鹸を人の手で作り続けている企業で、コラムからは環境と石鹸に真摯に取り組む姿勢が見て取れます。

どんな洗剤よりもシンプルに作られていますが、コラムを読めば「これで十分きれいになるのだ」と納得できるでしょう。

認証マーク
界面活性剤含有量
表示成分純石けん分 (脂肪酸カリウム 30%)
公式サイトhttps://www.ak-sekken.co.jp/
コラム:https://www.ak-sekken.co.jp/pages/83/

赤ちゃんにもOK◎人に優しいおすすめ洗濯用洗剤5選

ここからは、赤ちゃん用品にも安心して使える、人にやさしい洗濯洗剤をご紹介します。

ミヨシ石鹸|無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん

ミヨシ石鹸の「無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん」は、環境はもちろん肌の弱い方や赤ちゃんの肌着にも安心して使えるよう配慮して作られた石鹸です。

繊維を傷めず優しく洗い上げることができるので、衣類のチクチク感に悩んでいる方にもおすすめです。

また、容器にはCO2削減に効果的なバイオマス容器を使用しており、UL認証を取得しています。

そのほか、海洋プラスチックごみ問題の解決に取り組む「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」にも入会し、サステナブルな商品を製造・販売しています。

認証マーク・RSPO認証・UL認証・FSC認証
界面活性剤含有量
表示成分純石けん分 (35%脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム)
公式サイトhttps://miyoshisoap.co.jp/

エコプラッツ|善玉バイオ洗浄 浄JOE

善玉バイオ浄は、界面活性剤の含有量が0.5%と非常に少なく、赤ちゃんや肌が弱い方も安心して使える洗濯洗剤です。

洗濯排水が自然に分解できるよう「善玉バイオ」を開発し、洗剤残りしないよう配合してすすぎの回数を減らすことで、環境負荷を軽減しています。

また、洗濯中に落とした汚れが再度洗濯物に付着する「再汚染」を防止する仕組みが採用されており、よりキレイに洗い上がるのが嬉しいポイントです。

これ1つでしっかりキレイになり洗い上りもふんわりと仕上がりますが、シミや洗い上りの柔らかさが気になる場合は同シリーズの柔軟剤や漂白剤を併用することも可能ですよ。

認証マークエコマーク
界面活性剤含有量0.5%
表示成分アルカリ剤(炭酸塩)、水軟化剤、分散剤、
再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース)、酵素、
漂白剤(酸素系)、善玉バイオ、植物性脂肪酸
公式サイトhttps://ecoplatz.com/

ハッピーツリー・アンド・カンパニー|BABY(ベビー用洗濯洗剤)

ハッピーツリー・アンド・カンパニーが提供するBABY(ベビー用洗濯洗剤)は、化学物質を一切使用せずハーブの力で汚れを落とす洗剤です。

合成界面活性剤・蛍光増白剤・香料不使用で、赤ちゃんや肌の弱い方も安心して使えます。

また、成分に含まれる青森ヒバエキスはアトピー性皮膚炎の原因となる黄色ブドウ球菌を抗菌できるといわれており、炎症等への効果も期待できます。

大豆レシチンという大豆に含まれる不飽和脂肪酸が界面活性剤として働き、ハーブが抗菌・消臭・汚れの再付着を防ぐ、自然由来のやさしい洗剤です。

認証マーク
界面活性剤含有量
表示成分ミネラル水、ハーブエキス(青森ヒバエキス、オレンジエキス)、
大豆レシチン(非遺伝子組み換え大豆のみ使用)、EM発酵物質
公式サイトhttps://www.tomioka-group.co.jp/shopdetail
/000000000631/?srsltid=AfmBOop9KMT2VQA
aT7O4ZuiREX3eTOb8ShwoUDpQ9uHfb6wASR2IkzHQ

All things in Nature すすぎ0回型

「All things in Nature すすぎ0回型」は、がんこ本舗の「洗濯用洗剤 海へ…」を、環境にさらに貢献できるよう、スローヴィレッジで名前を変えて企画・販売しているものです。

日本皮膚科学会による30日間のアレルギーテストも行い、赤ちゃんの肌着にも安心して使えるAll things in Nature最大の特徴は、「すすぎ0回」で洗濯できるということです。

リン・蛍光剤・防腐剤などの添加物を一切使用しておらず、再付着を防止して衣類への洗剤残りも少ないほか、全成分の70%が21日間で生分解され自然に還ります。

さらに、電力を使わない手洗いにも最適で、キャンプや災害時にも活躍します。

肌にも環境にもお財布にも優しい、おすすめのエシカル洗剤です。

認証マーク・RSPO認証
界面活性剤含有量16%
表示成分界面活性剤[16%、高級アルコール系(非イオン)、
ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド]、
香料(ラベンダー精油・ホオリーフ精油・ベルガモット精油)
公式サイトhttps://shop.slow-village.jp/all/?srsltid=AfmBOoqJ_
ImUZBp9WUAf5LRnPOI1GZayVTI1Gnhkc-X3gHrpJKATGl3y

ネオナチュラル|ネオベビー 善玉菌酵素洗たく洗剤

ネオベビーは、ママのオーガニックなブランドneobabyが、自然派ライフスタイルブランド「NEO GREEN」と共同開発した洗濯洗剤です。

使用感や保存性のためだけに加えられる成分を一切排除し、肌にやさしい成分のみを使用しているため、赤ちゃんやアトピー体質の方も安心です。

界面活性剤の使用料は0.5%以下と非常に少なく、生分解性の高い独自開発の善玉菌酵素の力で汚れを落とします。

販売元のネオナチュラルは、環境保護団体への寄付や植林活動といったSDGsの取り組みに積極的に参加しており、ネオベビーを購入することでこうした活動の後押しができるのも魅力でしょう。

認証マーク
界面活性剤含有量0.5%以下
表示成分アルカリ剤(炭酸ナトリウム)、水軟化剤(クエン酸ナトリウム)、
分散剤(硫酸ナトリウム)、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース)、
酵素、植物由来脂肪酸、善玉発酵菌由来酵素、
香料(ラベンダー、ローマンカモミール、ボリジ)
公式サイトhttps://www.neo-natural.com/Form/Product/Produ
ctDetail.aspx?shop=0&pid=853&cat=200008

汚れ落ちに不安があるならコインランドリーという選択肢も◎

様々なサステナブル洗剤を使ってきたけれど、やっぱり汚れ落ちが気になるという方は、コインランドリーを利用するのがおすすめです。

近年では、コインランドリーも環境に配慮して進化を遂げています。

業務用の洗濯機ですので汚れ落ちもよく、大きなものもしっかり洗えますよ。

近くのコインランドリーはLUNDRICHで検索!

コインランドリーを探すときにおすすめなのが、LAUNDRICHという検索サイトです。

地図や店舗名から検索したり、設備などの希望条件を選んで近くのコインランドリーを探すことができます。

環境や肌に優しい機器を使用しているコインランドリーが増えてきていますので、ぜひLAUNDRICHを使って探してみてください。

サイズが大きくおうちで洗濯しにくい布団やカーペットの洗濯も、サステナブルなコインランドリーできれいに洗ってしまいましょう!

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