私たちはさまざまなモノに囲まれて暮らしています。そしてそのモノたちは、さらにさまざまな素材から作られています。また、その素材が使われているのには理由があります。

今回は、化学繊維の中でも広く活用されている合成繊維・ポリエステルについて取り上げます。ブラウスやシャツだけでなく寝具やインテリア系ファブリックなど、生活のあらゆるシーンで利用されています。実は、ペットボトルの「PET」もポリエステルの一種なのです。

ということでとても身近な繊維・ポリエステルについて、その特徴とお手入れ方法を見ていきましょう。

ポリエステルの特徴

化学繊維の中でも合成繊維に分類されるポリエステル。石油から生成した原料を溶解し、糸状に押し出して繊維を作るので、形状加工は自由自在。そうしてさまざまな風合いの生地ができあがるわけです。

▽主な長所
・耐久性に優れている … 繊維の強度が高く、軽くて丈夫。洗濯や着用での劣化が少ない
・シワになりにくい … ほとんど気にならず、できてしまっても回復力が高い
・濡れてもすぐ乾く … 洗濯後はもちろん、汗も乾きやすいので、シーツや布団などの寝具にも適している

以上の特徴からコットンやウールの自然繊維と混紡され、強度アップや縮み防止、ひいては製品を長持ちさせる効果にもつながっています。

残念ながら少々短所もあります。
・毛玉ができやすい ・静電気に注意 ・汚れが落ちにくい

汚れが落ちにくい…と言いつつも、正しくお手入れすれば大丈夫。次のブロックでその方法をご紹介します。

ポリエステル製品のお手入れポイント

まずは洗濯表示タグ(取扱い絵表示)をチェックし、ご家庭での洗濯が可能かどうかを確かめましょう。ポリエステルの繊維自体はとても強いので、洗濯による磨耗については心配いりません。汚れを落ちやすくすることを心がけましょう。

▽汚れを落ちやすくするポイント
・汚れがひどいものとは一緒に洗わない
・洗濯時間はあまり長くしすぎない
・洗濯機に洗濯物をつめ込みすぎず(7割くらいの量で)、多めの水量で洗う

また、ポリエステルの性質上、落ちた汚れが再付着する場合があります(逆汚染といいます)。白いアイテムは注意が必要です。

▽その他のポイント
洗剤は弱アルカリ性のものでOK。ネットに入れておくと安心です。
装飾がついたブラウスなどは中性のおしゃれ着用洗剤を使用し、ドライコースや手洗いコースで。手洗いでもOKです。
仕上げに柔軟剤を使うと静電気予防になり、着心地もよくなります。

まとめ

いかがでしたか? 強くて扱いやすいポリエステル。ポイントを押さえておけばお手入れしやすい素材です。天然素材もよいものですが、ポリエステルのウォッシュ・アンド・ウェア性も取り入れて、さまざまなバリエーションを楽しみましょう。

※ウォッシュ・アンド・ウェア …洗濯した衣類の乾きが早く、アイロンかけをしないでそのまま着用できる性能